Script(Japanese)
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みなさんこんにちは、みきこです。
私のPodcastを聞いてくれてありがとうございます。
今日は、日本で有名な作家「芥川龍之介」の短編小説、「蜘蛛の糸」の朗読をしたいと思います。
もとの文章はとても難しいので、JLPTのN3レベルぐらいの文章にしています。
もとの文章は説明欄にリンクを貼っておきますのでそちらから見てくださいね。
それから、N3レベルにしたものはブログに載せておきますのでそちらもよかったら見てくださいね。
まず、芥川龍之介を知らない人のために簡単に紹介しますね。
芥川龍之介は、日本の有名な作家です。
1892年に生まれ、1927年に亡くなりました。
短い人生でしたが、たくさんのすばらしい小説を書きました。
彼は「短編小説」という、短いお話もたくさん残しました。
今日はそんな短編小説の中の代表作でもある「蜘蛛の糸」を紹介しますね。
Chapter1
ある日、お釈迦様は極楽の池を歩いていました。
その池には白くてきれいな蓮の花がたくさん咲いていて、金色の花の中心から良い香りがしていました。
極楽は朝の時間だったようです。
お釈迦様は池のそばに立って、水の中を見ました。
この池の下には地獄がありました。
水は透明で、地獄の様子がよく見えました。
三途の川や針の山がはっきり見えました。
その時、お釈迦様は地獄にいる一人の男を見つけました。
この男の名前はカンダタといいます。
カンダタは人を殺したり、家に火をつけたりした悪い人でした。
でも、カンダタは一度だけ良いことをしたことがありました。
ある日、カンダタが森の中を歩いていると、小さな蜘蛛が道を歩いていました。
カンダタはその蜘蛛を踏み殺そうとしましたが、「いや、この小さい蜘蛛にも命がある。殺すのはかわいそうだ」と思い、蜘蛛を助けました。
お釈迦様は地獄を見ながら、このカンダタが蜘蛛を助けたことを思い出しました。
そして、その良いことのお礼に、カンダタを地獄から助けてあげようと考えました。
ちょうど近くを見ると、蓮の葉の上に極楽の蜘蛛が美しい銀色の糸を作っていました。
お釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと手に取り、それを地獄に向けてまっすぐ下ろしました。
修正したところ
- 「独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました」 → 「歩いていました」
尊敬語(そんけいご)を簡単な動詞に変えて、読みやすくしました。
- 「水晶のような水を透き徹して」 → 「水は透明で」
難しい比喩表現(ひゆひょうげん)を省略(しょうりゃく)し、シンプルな形にしました。
- 「丁度覗き眼鏡を見るように」 → 「よく見えました」
「覗き眼鏡」という言葉はむずかしいので直接的(ちょくせつてき)な表現(ひょうげん)にしました。
- 「急に思い返して」 → 「かわいそうだと思い」
かんたんな言い方に変えました。
- 「金色の蕊からは、何とも云えない良い匂いが、絶え間なくあたりへ溢れて居ります」 → 「金色の花の中心から良い香りがしていました」
内容がわかるように、美しい描写(びょうしゃ)をシンプルにしました。
Chapter2
地獄の底にある血の池で、カンダタはほかの罪人たちと一緒に、血の中で浮いたり沈んだりしていました。
地獄はどこを見ても真っ暗で、たまに見えるものといえば、針の山の針が光るくらいです。
その光景はとても恐ろしく、カンダタはとても不安でした。
周りはお墓の中のように静かで、聞こえるのは罪人たちの小さなため息だけです。
地獄に落ちてくるような人たちは、さまざまな苦しみに疲れ果てていて、もう泣く力さえないのです。
カンダタも血の池で血を飲み込みながら、死にかけたカエルのように弱々しくもがいていました。
そんなある日、カンダタが何気なく空を見上げると、真っ暗な空の中に、遠く天井の方から銀色の蜘蛛の糸が一筋垂れてくるのが見えました。
その糸はまるで誰かに見つからないように、細く光りながらゆっくり下りてきていました。
これを見たカンダタは思わず手を叩いて喜びました。
「この糸にしっかりつかまって登れば、地獄から出られるかもしれない! もしかしたら極楽に行けるかもしれない!」
そう思ったカンダタは、すぐに蜘蛛の糸を両手でつかみ、一生懸命上へ登り始めました。
カンダタは元々大泥棒なので、こういうことは慣れていたのです。
しかし、地獄と極楽の間はとても遠く、何万里も離れています。
カンダタは急いでも、なかなか上まで行けません。
しばらく登っていると、疲れてしまい、もうそれ以上登れなくなりました。
仕方なく糸の途中でぶら下がり、少し休むことにしました。
そして、下の方を遠くまで見下ろしました。
一生懸命に登ったおかげで、カンダタがさっきまでいた血の池は、もう暗い底の方に隠れて見えなくなりました。
針の山も足の下にあります。
この調子で登れば、地獄から抜け出すのも、意外と簡単かもしれない、とカンダタは思いました。
彼は蜘蛛の糸をしっかりつかんで、「やった!やった!」と、久しぶりに声を出して笑いました。
ところが、ふと下の方を見てみると、たくさんの罪人たちが、まるでアリの行列のように、カンダタの後を追いながら、上に登ってくるのです。
それを見たカンダタは、驚きと恐さで、しばらく口を開けたまま、ただ目だけを動かしていました。
この細い蜘蛛の糸が、自分一人だけでも切れてしまいそうなのに、これだけたくさんの罪人の重さに耐えられるわけがありません。
もし途中で糸が切れてしまったら、自分も地獄に落ちてしまいます。
それだけは絶対に避けたいと思いました。
でも、罪人たちはどんどん増えていきます。
血の池の底から、暗闇の中を、次々と這い上がってきて、蜘蛛の糸を登ってくるのです。
このままでは、糸が途中で切れてしまうのは時間の問題です。
カンダタは大きな声で叫びました。
「おい!罪人ども!この蜘蛛の糸は俺のものだ!お前たちは誰に許しをもらって登ってきたんだ!降りろ!降りろ!」
その瞬間、蜘蛛の糸が突然、カンダタがぶら下がっているところから「プツン」と音を立てて切れてしまいました。
カンダタはあっという間に、くるくる回りながら、暗い底に向かって真っ逆さまに落ちていきました。
後には、極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと光りながら、月も星もない空の途中で、短く垂れているだけでした。
修正したところ
- 「まっ暗で、たまにその暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと」
→ 「地獄はどこを見ても真っ暗で、たまに見えるものといえば」
難しい文を、短くて分かりやすい文にしました。
- 「これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦に疲れはてて」
→ 「地獄に落ちてくるような人たちは、さまざまな苦しみに疲れ果てていて」
「責苦(せめく)」などのむずかしい言葉を日常的(にちじょうてき)な表現に変えました。
- 「その心細さと云ったらございません」
→ 「カンダタはとても不安でした」
「心細さ(こころぼそさ)」や「ございません」の形を簡単な言い方にしました。
- 「遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように」
→ 「遠く天井の方から銀色の蜘蛛の糸が一筋垂れてくる」
文章を短くしてかんたんにしました。
- 「さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります」
→ 「さっきまでいた血の池は、もう暗い底の方に隠れて見えなくなりました」
長い表現を短くして、難しい言葉を省略(しょうりゃく)しました。
- 「存外わけがないかも知れません」
→ 「意外と簡単かもしれない」
「存外(ぞんがい)」や「わけがない」を分かりやすい言葉に変更しました。
- 「もし万一途中で断きれたと致しましたら」
→ 「もし途中で糸が切れてしまったら」
敬語表現(けいごひょうげん)を日常的な言い方にして読みやすくしました。
Chapter3
お釈迦様は、極楽の蓮の池のほとりに立って、この出来事をずっと見ていました。
そして、カンダタが血の池の底へ、石のように沈んでしまったのを見て、悲しそうな顔をしました。
それから、またゆっくりと歩き始めました。
カンダタが自分だけ地獄から抜け出そうとした、その冷たい心が原因で、もう一度地獄に落ちてしまったことが、お釈迦様には哀れに思えたのでしょう。
でも、極楽の蓮の花たちは、そんなことを気にすることはありません。
玉のように白い花が、お釈迦様の足のまわりで、静かに揺れています。
花の真ん中からは、なんとも言えない良い香りが絶えることなくあたりに広がっています。
極楽の空はだんだん明るくなり、お昼が近くなってきたようです。
はい、今日はここまでです。
最後まで聞いてくれてありがとうございました。
ほなまたね!(じゃあまたね)
修正したところ
「御釈迦様おしゃかさまは極楽の蓮池はすいけのふちに立って、この一部始終しじゅうをじっと見ていらっしゃいましたが、やがてかんだたが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと…」
→ 「お釈迦様は、極楽の蓮の池のほとりに立って、この出来事をずっと見ていました。そして、カンダタが血の池の底へ、石のように沈んでしまったのを見て、悲しそうな顔をしました。」
文が長すぎると理解(りかい)が難しいので、2文に分けました。そしてかんたんな言葉を使いました。
- 「一部始終(いちぶしじゅう)」→「出来事(できごと)」
- 「無慈悲(むじひ)」→「冷たい心(こころ)」
- 「浅間しい(あさましい)」→「哀れ(あわれ)」
学習者が理解しやすい言葉を選(えら)びました。
- 「極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません」
→ 「極楽の蓮の花たちは、そんなことを気にすることはありません」
難しい表現を簡単な言葉にしました。
- 「その玉のような白い花は、御釈迦様の御足おみあしのまわりに、ゆらゆら萼うてなを動かして…」
→ 「玉のように白い花が、お釈迦様の足のまわりで、静かに揺れています。」
かんたんな表現にしました。
花の真ん中にある金色(きんいろ)の蕊(ずい)からは、
→花の真ん中からは、
描写(びょうしゃ)の細(こま)かさを消してかんたんにしました。
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